インタビュー

尾阪咲弥花先生に会う

0|0 早朝の高速道路を制限速度より10キロ遅いくらいでゆっくり走る。手袋の中がいつまでも冷たい。太陽の位置が低くて顔の下半分がとろ火で焼かれているのに車内の温度はなかなか上がらない。新千歳空港の駐車場に車を停め、ロビーに入るまでのわずかな...
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AIが毛穴を消したグラビアが嫌いだと言っていた人がいた

34|13 猛烈に働いたがまだ夕方である。まあなんかそういう日もある。 何度も何度も切り直してもらって何枚もプレパラートを作ってもらって、たくさん面を変えてなんとか癌と診断したい標本があったのだが、どうも嫌な予感がして癌と付けきれなかった。...
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タイトー

23|5 若者の診断が鋭い。じつにいい報告書を書く。ベテランの病理医と「最近の若者はすごいですね」という話をする。と、彼女が言った。 「若い人たちはほんとに手がきれいですね!」 「ほんとですよねえ」 ……我々はべつに、若者はスキンケアがしっ...
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なんかそういうタイプのコツだと思う

16|18 難しくない病理診断というのもある。ぱっと見でわかるというやつだ。一瞬で書ける。しかしその書けたものがもたらす影響は大きい。 そこで、「あっという間に書ける診断」のときほど、きもち、寝かす。何時間も寝かせて診断報告を遅らせるという...
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耐久周回

3|2 一日の大半、原稿を書いていた。正確には読んでいた。過去に自分が書いたものを読み直して細かく治しながらそこに文章を継ぎ足していく。一章が書き終わったら一章を読み返してから二章を書く。二章を書いている最中にときおり一章に戻って一章を書き...
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取ればいいってもんじゃないけれど

10|4 某科の専攻医がデスクをたずねてくる。学会報告したいので病理の写真を撮ってください。OKOK。どういう症例かたずねる。 かなり病歴の長い人だ。とある臓器の癌にかかり、手術して、直して、忘れたころにぽつんと再発。そこを直して、またしば...
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たずねるの中にあるエロの部分

5|13 わからないわからない。どうしてもわからない。わからない診断がある。たくさんの手を打った。多重の免疫組織化学も行った。同僚の病理医にもたずねた。主治医とは何度も話をしている。 それでもわからない。疾患Aと疾患Bで迷っている。しかしじ...
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羽毛

7|13 当院にバイトに来てくれる病理医はみんな優秀だ。私よりだいぶ若いのだが、限られた時間で標本を丹念に見て、細かいリンパ管侵襲像とか偶発別病変などをきちんと見つけてくれる。外の先生方が見たプレパラートをあとで見ると、私とはちょっと感覚の...
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歳も力も足りないな

4|4 数字だけ見るとぜんぜん働いてないのだが実際には朝からギュンギュン忙しい日だった。特に作業が多かったように思う。 仕事と作業の違い、みたいなものをあらためて考える。誰がやってもいいのが作業、俺がやらなきゃだめなのが仕事。わかる。しかし...
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勤務力トレーニング略して勤トレ

22|5 廊下で歩きながらしゃべった臨床医に「最近なんかずっと、普通の文章ってのを読みませんねえ」と言われる。病理診断報告書の話だ。たしかにその科に出している病理診断はここのところ難しいものばかり。希少例、非典型例、かなり込み入った免疫組織...