レコード 泳がせられている 6|11 診療の場面では、自分より若い同業者とも、年を取った同業者とも両方出会う。 年を取ったほうにはバラエティがある。ある種、進化系統樹の先端部を見ているようなもので、人生のいろいろな場面で衝突してきたさまざまな選択圧によって、何度も分岐... 2025.02.28 レコード
レコード がん診療の話 22|15 5週に1度のペースで定時に帰る。カンファも研究会もない平日の夕方にあらかじめ予約をしておいて歯医者に行って歯のメンテナンスをする。ちかごろの青少年たちは小さいころからフッ素を歯に塗っており、「このフソまずいクッ素(※クソまずいフ... 2025.02.27 レコード
レコード 昼休みも1時間取るらしい 13|9 「先生は病理だけじゃなくて臨床のことにもすごく詳しいからすごいと思います。いったいどうやって勉強したんですか?」とたずねてくれた若い医師たちが、みな、定時で帰っていく。彼らの世代は、いったいどうやって勉強すれば、膨大な知識にアクセ... 2025.02.26 レコード
レコード 自称学者の示威と自慰 30|10 病理診断を書くにあたって、いろんな施設でいろんなルールがある。取扱い規約事項を箇条書きにするときは改行しようとか、逆にするなとか、肉眼所見と組織所見は分けて書こうとか、べつにそこまでしなくていいとか……。 施設ごとに代々受け継が... 2025.02.25 レコード
レコード むかしはよかった 11|15 懐古的なことを書く。 いまから20年くらい前の病理診断レポートは、手書きであった。臨床医は依頼内容(どういう患者であるか、細胞を取った場所はどこか、主治医はなんの病気だと考えているか)を、かんたんなイラストや模式図などを添えて、... 2025.02.21 レコード
レコード 方程式を作る側 14|14 たとえば医者が、あなたは風邪ですねとか、あなたは関節リウマチですねとか、あなたは大腸癌ですねとか、そうやって告げることを「診断」と言うが、そういう場面を思い浮かべるに、診断とはつまりある状態に「命名」をする行為だと思いがちだし、... 2025.02.20 レコード
レコード イエッセイ 12|9 医療にかんするエッセイの多くは限られたジャンルに属する。「患者側の経験談」「医者側の経験談」「患者でも医者でもない非医療者の経験談」「患者でも医者でもない医療者の経験談」。そりゃどれかには当てはまるだろ、と自分で書いていても思うわ... 2025.02.19 レコード
レコード ていうか俺が裏番組では? 0|0 学会で講演を頼まれた。詳細ははぶくがある専門性の高い内容をしゃべることになった。教育講演という枠である。ありがたいことでありプレゼン作成に尽力した。当日、学会のプログラムを見ると、私がしゃべっている時間帯の真裏で、「一般演題」のセッ... 2025.02.18 レコード
レコード 名前をつけてやる 11|4 重箱の隅みたいな話なのだけれど、病気の性状を言い表す形容詞にscirrhousという単語がある。これを和訳する際に、ある臓器では「硬性」という言葉を使い、別の臓器では「硬化性」という言葉を使い、あるいは「硬化型」という言葉を使った... 2025.02.17 レコード
レコード 浪費トレイン 32|2 出張。移動中に雑誌を読む。医学雑誌である。お勉強をする。家だと寝てしまう。職場ではほかにやることがある。勉強するには移動中が一番いい。有効活用だ。出張が減ると勉強も減る。ひとつところに留まっていては視野が狭くなるとはこのことだった... 2025.02.14 レコード