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たとえば医者が、あなたは風邪ですねとか、あなたは関節リウマチですねとか、あなたは大腸癌ですねとか、そうやって告げることを「診断」と言うが、そういう場面を思い浮かべるに、診断とはつまりある状態に「命名」をする行為だと思いがちだし、思われがちでもある。しかし、実際には、名をつけているというよりも、「プロットを見て関数を与える行為」なのではないかと思う。それは常に近似である。それはどんな値を代入してどんな解を得るかというところに大きな目的がある。それは定数をいろいろといじることで様相が変わる。それは必ずしも直感的に使いやすいとは限らない。それは文学的には語りきれない魅力がある。それは所詮、ファンクションなのである。