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共同研究のお話がやってきた。職場をやめる前にいろいろ動いてセッティングをしておけば、私の後任がこの研究にしっかりと参加していい思いをできるだろう。さらに私の移動先でもこの研究をやることができれば、共同で研究する施設を一気に2つに増やせる……と、書くと、だいぶうまいことをやっているように見えるが、こんなことは、大学にいる人間からしたら当たり前のことなのだ。私はそういう当たり前のことをこれまであまりやらずにやってきた。新鮮であり、驚くべきことではなく、しっかりやっていきたいと思う。がんの研究には数が必要だ。ひとりひとりの物語に寄り添い続ける医療人によって数が担われるならば、なおいい。