採点の祭典

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今日はなんかもうとにかくやっちゃいてぇなあ! と思ったので、看護学校の病理学試験の祭典をやっちゃうことにする。記述式の回答用紙にコメントを書きながら点を付けていくので時間がかかる。仕事の合間にちまちまやっていると軽く3週間くらい経ってしまうので、どこかで気合いを入れてエイヤッと片付けるに限る。

今年の試験は大問2問。

1.「マンガ はたらく細胞 に出てくる登場人物を二人選び、そのデザイン、行動、性格などが実際の細胞の何を反映したものなのかを書いてください。(20点)」

2.あなたはスティーブ・ジョブスさん(仮名)の担当ナースです。彼は膵臓の腫瘍を治療するために入院しています。彼の性格、社会的立場、彼の病気の種類を考慮し、看護計画を立ててください。なお彼は手術を拒否し、坐禅で病気を治したいと言っています。(40点)」

これで合計60点。

問題は試験の3週間前に公開する。そして、回答するのに必要な「資料」を自作してもらう。教務のハンコが捺されたA4用紙1枚の両面に自由に書き込んでもらい、その資料1枚は持ち込み可とする。そしてこの資料も採点する(40点)。

資料の方は細かく合いの手を入れながら採点し、生徒に返却してもらう。答案は返却しないことになっているのだそうだが、それだとフィードバックができない。資料だけでも返却させてもらえるのはありがたい。

今年の学年は仲が良いらしい。資料を作る際に、「周りの人と資料を共有してもいいからね、まったく同じ内容の資料を作ってもいいからね」と伝えたところ、生徒30数名のほとんどの回答が似たりよったりになった。採点はねむくなった。それでも個性が出てくるからおもしろい。

こんなの病理学の試験でもなんでもないやんけ、という感じだが、スティーブ・ジョブスは膵腫瘍で入院しているので、膵腫瘍について勉強してもらうことにはなるから、まあよし、ということにしている(私が)。

平均点は90点くらい。今年は97点以上の回答はなし。全員優だ。おめでとう。スティーブ・ジョブスをむりやり説得するのではなく、なぜ手術を拒否するのかをしっかり聞いてみたいと書いた人がけっこういて、そうそう、そうだよね、と思った。一方で、「家族に弱いから家族をまるめこんで説得してもらう」と書いた人もいて、そうそう、すごいね、と思った。制御性T細胞について書いた学生がひとりもいなかったのは残念だった。今年はみんな赤血球が好き過ぎる。映画の影響だろうか。

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