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「ホー谷オームラーン!」と聞こえて笑ってしまった。逆逆。言い間違いを笑っていられる日常がいい。
仕事では十重二十重に書き間違いをチェックする。丁寧に、何度も見返した病理診断書。2郡リンパ節の記載をうっかり3群リンパ節のところに書き入れていた。見間違いはない。考え違いもない。しかし、書き間違ってしまえば、それですべてがオジャンである。オジャンって何?
システムが間違いをチェックする。AIというのはそういうもののためにあるんだよね。先日、ある小品をネットで注文する際に、クレジットカードがロックされた。小さい企業がやっている、オンライン購入システムが、大手クレジットカード会社からは不審に思われたのだろう。瞬間的にロックされ、携帯に確認のショートメッセージが届き、そこから限定を解除すればまたすぐ使えるようになる。自動で間違いをチェックする仕組みの「念のため」によって私は2分半ほど無駄に消費した。それでもAIのほうがいいっていうんだろ? まあわかるけどな。気持ちは。人間はむしろぶれているほうが魅力的で、ぶれていないことなんてないんだもんな。