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他人の後悔記を読む

6|3 以下は「読んだ話」であって、自分で経験した話ではないということを最初におことわりしておく。ただ、語る際にはどうしても、私の体験に基づいた私の主観による「お化粧」が加わる。だからなんとなく私が体験したふうな語り口になってしまうだろう。...
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がんは他の病気とどう違いますか

14|31 近頃はいろんな人に、「がんとはどんな病気でしょうか」というのをたずね続けている。 そういうことをたくさんやると、ときおり、質問を投げ返されたりもする。 「病理医からみると、がんはどんな病気ですか。ほかの病気とどう違いますか」 う...
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リスペクトがない

8|13 看護師相手、技師相手だととたんに居丈高になる医者がいる。あんたの2倍くらいの時間をかけて、あんたの10倍くらいの患者をみてきた人たちに向かって、あんたがただ医者だというだけで、どうしてそんなに上からしゃべることができるのだ。
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ボールペンはアマゾンプレミアムフライデーで買う

12|5 書類ばかり書いている。PCに向かって打ち込んでいるものもあるが今日は「手書き」がいくつかある。 令和に! 手書き! 外注の検査センターに出す伝票は手書きしなければいけないものが多いのだ。MSI検査、RAS/BRAF検査、PD-L1...
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あんたさあ、調子に乗ってんじゃねぇぞ

22|22 13,4年くらい前のこと。私はまだ30代前半であった。大学院を出てから数年、病理医としてはまだまだ若輩、しかし、専門医も取得し、自分の裁量である程度仕事ができるようになって、少しずつ自信もついてきたころだ。 縁あって、診療放射線...
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サントリー

19|7 「さじ加減」という言葉がある。もとは江戸時代あたりだろうか、医者が薬を煎じるにあたって、生薬的なものをごりごりとすりつぶして混ぜるわけだ。その分量・組成のレシピはあらかじめそこそこ決まっているのだけれど、実際の運用にあたっては、患...
インタビュー

大須賀覚先生に会う

0|0 がんを研究する人の大半は、じつは、直接自分でがんを治すことは考えていない。自分の研究テーマが、めぐりめぐって、誰かに応用されることで、最終的にがんを治せたらいいなあ、くらいは考えているだろうけれど。 そもそも、がん研究ってそんなに単...
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汽水域

25|0 学術講演というものをするためにとある地域に呼ばれた。先方と相談して、宿泊や空路についてあれこれやりとりをする。 ところがその予定の一日前に、別の予定が、別の地域で入った。うーん。いっそ、当日ならば、断われた。これはどうだろう。受け...
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細胞の方言

24|7 出張先で診断する検体にはそこそこ偏りがある。この病院ならではの病気というかんじだ。 別に地域ごとにはやっている病気が異なるというわけではない。偏りが出るのはひとえに、それぞれの病院にいる医者たちの専門性のちがい、どういうところから...
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宛先を入力してください

11|2 ようやくパワポができた。4ヶ月後の学会で講演するためのもの。 ……なんてことを書いていると、最近の勤め人たちは、「パワポなんか使うの?」と、ちょっとほほえみながら指摘してくる。 「トヨタの社長みたいに身振り手振りで明るく講演したほ...