レコード 方程式を作る側 14|14 たとえば医者が、あなたは風邪ですねとか、あなたは関節リウマチですねとか、あなたは大腸癌ですねとか、そうやって告げることを「診断」と言うが、そういう場面を思い浮かべるに、診断とはつまりある状態に「命名」をする行為だと思いがちだし、... 2025.02.20 レコード
レコード イエッセイ 12|9 医療にかんするエッセイの多くは限られたジャンルに属する。「患者側の経験談」「医者側の経験談」「患者でも医者でもない非医療者の経験談」「患者でも医者でもない医療者の経験談」。そりゃどれかには当てはまるだろ、と自分で書いていても思うわ... 2025.02.19 レコード
レコード ていうか俺が裏番組では? 0|0 学会で講演を頼まれた。詳細ははぶくがある専門性の高い内容をしゃべることになった。教育講演という枠である。ありがたいことでありプレゼン作成に尽力した。当日、学会のプログラムを見ると、私がしゃべっている時間帯の真裏で、「一般演題」のセッ... 2025.02.18 レコード
レコード 名前をつけてやる 11|4 重箱の隅みたいな話なのだけれど、病気の性状を言い表す形容詞にscirrhousという単語がある。これを和訳する際に、ある臓器では「硬性」という言葉を使い、別の臓器では「硬化性」という言葉を使い、あるいは「硬化型」という言葉を使った... 2025.02.17 レコード
レコード 浪費トレイン 32|2 出張。移動中に雑誌を読む。医学雑誌である。お勉強をする。家だと寝てしまう。職場ではほかにやることがある。勉強するには移動中が一番いい。有効活用だ。出張が減ると勉強も減る。ひとつところに留まっていては視野が狭くなるとはこのことだった... 2025.02.14 レコード
レコード 反省だけなら猿よりうまい 28|13 かなり仕事が忙しく、それとは別に、全身のあちこちが細かく痛くなっている。腸の動きはよくないし、腰の一部がはずれそうで不安。先日、右目の白目から出血したのは治ってきたが、今日は左目のまぶたの裏が痛い。「かなり仕事が忙しく、それとは... 2025.02.13 レコード
レコード ぞっとした体験 12|9 医療安全委員会というのがあって、毎月のように参加している。病院の各部署での安全にまつわるトラブル、というか「あぶなかった……!」くらいの、「トラブルをぎりぎり防げました」みたいな話を共有する。 会議だから、眠いしつらいしめんどうく... 2025.02.12 レコード
レコード みを伝えるということ 4|13 患者からとってきた細胞とか臓器のカタマリをあれこれ検索して、「細胞を見た結果」を書く。このとき、あたりまえのことなんだけど、見たものをどう書くか、というのがけっこう大事である。 Q. ゾウを見たときに人にどう伝える? A. 「大き... 2025.02.10 レコード
レコード 元には戻らない 11|21 病気が治るというのも、思えばなかなかむずかしい概念だ。どうなると「治った」ことになるのか。元通りの生活ができたら? 痛みも苦しみもなくなったら? 今からすごくいやらしいことを言う。 「一度病気になると、その人はしばらくの間、『... 2025.02.07 レコード
レコード あしたをねがうこと 20|27 ジンクスみたいなものはどの業界にもあり、われわれの狭い世界にももちろんある。ただしそれらのジンクスを口にすることはない。口にしなくなった。「ジンクスを口にしたとたんにその出来事が起こる」というのがひとつのジンクスだからだ。メタ・... 2025.02.06 レコード