音読って上手な人はほんとうに上手なんですよ

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読みたい教科書があるのだが小仕事が多くてなかなか読めないし、いざ読み始めると寝てしまう。昔はそういうことはなかったのだがさすがに体力が落ちているようだ。しょうがないので音読をする。音読をすると寝なくて済む。音読はいい。しかし音読には弱点もある。病理プレパラートの写真、組織像、こればかりは音読できないのだ。文字になっていない情報をじっくり読み込まなければいけない教科書で、文字の部分ばかり音読したってじつはさほど役には立たない。いや、正確にいうと、役には立つんだけど、黙読と比べるとどうも、脳内に入ってくる情報の比率というか彩度がちょっと変わる気がするんだよな。

でも眠いからしょうがない。寝ちゃうよりはましだ。声を出して読む。検査室の当直のスタッフが、病理検査室の奥から謎のお経が聞こえてくるといって怯える。

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