かけもち

11|18

ウェブ会議をわたりあるく。関連病院間での連携のための会議。大学の医局のゆるい集まりで、やや珍しい症例をみんなで見る勉強会。東京の病院がやっている勉強会に横から参加してやいのやいの言うやつ。SNS医療のカタチ。学会の委員としての。学会の事務方としての。

がんを診断するのとは使う頭が違うといえば違う。でも、同じ頭なので、たぶんこういうやりとりも、診断のはしばしに影響を与えている。伝わりやすいようにしゃべる・書くにはどうしたらいいかということ。場を紛糾させないために何を言わないほうがいいのかということ。自分の守備範囲を自覚しておくということ。

子はおかげさまで、ほぼ、育ち切った。家庭とのかけもちは少し軽くなった気もするし、ここからはまた別のやりかたで、家庭とのかけもちをやっていくとよいのだろうという気もする。酒を減らすということ。ヨーグルトを食べるということ。どれだけ早く起きて出勤してもかまわない。遅く帰っても誰も困らないが自分の身体がみしみしいう。

肺がんの診断。大腸がんの診断。乳がんの診断。膵がんの診断。同じがんという名前がついているけれど、これらはまるで違う病気で、診断のための手練手管も、遺伝子検査の手続きも、似ていて、違う。

肉眼的な診断。組織学的な診断。遺伝子学的な診断。検査学的な診断。社会における診断と、かけもちするのは、とても難しいことだなと思うが、医者ならばそれをやろうとはすべきだ。やれるかどうかはわからないが、やろうとは試みるべきだろう。

タイトルとURLをコピーしました