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書類ばかり書いている。PCに向かって打ち込んでいるものもあるが今日は「手書き」がいくつかある。

令和に! 手書き!

外注の検査センターに出す伝票は手書きしなければいけないものが多いのだ。MSI検査、RAS/BRAF検査、PD-L1検査、CLDN18検査、HER2-FISH検査、オンコマインDxパネル、AmoyDxパネル……。

電子化したほうが間違いがないのだけれど、最近のがん診療における遺伝子検査は、ほんとうに、毎月のように新しい項目が出てくる。そのたびに電子カルテを改修していると、保守管理代金がとんでもないことになってしまうから、手書きの伝票で都度がんばるしかない。

手書きはなくならないと思う。しょうがなく残しているという面も大きい。でも、ぶっちゃけ、手書きは残しておいたほうがいいような気がしている。

研修医に指導するとき、病理診断文を仮印刷したものに赤ボールペンで書き入れるのがべんりだ。モニタ上に伝言を残す指導でいいじゃないかと自分でも思うのだけれど、どうも手書きを取り入れたほうが、若手の膨大な勉強の中に差し色としての存在感を発揮することができるような気がする。

つい、アナログに念を込める。

そういえば私は手帳もいまだに紙だ。スマホのスケジュールアプリも使っているくせにほぼ日手帳を持ち歩いている。出張先などで新たな仕事の依頼を受けると、まずはカバンから手帳を取り出す、その様子をみて驚く人もいる。

「いまだに手帳なんか使ってるんですか!」

ずいぶんな言いようじゃないかと思うのだがよく話を聞いてみると「あれだけツイッターとかやっといてすっかりスマホ中毒だと思っていたので」みたいにさらに失礼なことを言い出すので笑ってしまう。

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