新しい方程式とウソのつきかた

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めずらしく統計処理などをやっている。統計処理っていうほどでもないか。多数の症例に目を通して傾向などを確認している。素人っぽくいうと、こういう作業では、「プロットする」のが一番大事だなと思う。データの分布を視覚的に把握するところからすべてははじまる。方程式にぶちこめばいいというものではない。新しい方程式を探してくるような仕事。そのためにはプロットが役に立つ。

ちなみに、すでにある方程式にデータを入力するタイプの仕事、つまり私の勤務時間のかなりの割合を占める仕事は、きょうび、AIにやらせるのが流行りだ。大塚の書いている本などを読むと、私の得意分野はだいたいAIがやれそうだなと思う。現時点で、AIより私が優れているなあと感じる部分なんて、ウソを恥じらいながらつくことくらいしかない。今後、私は社会から、病理医としての価値を感じ続けてもらえるかどうかはちょっと心配だ。「さすが、AIとは、ウソのつきかたが違うねえ!」なんて、喜んでもらえるならばよいのだが。

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