来年の春頃に出す『がんユニ』は、インタビューの本です。
私が17名の医療者、患者、医療系の記者にお話しをうかがい、文字起こしを担当編集のHさんにやってもらい、その原稿を私が組み上げています。
それぞれのインタビュイーには、おおむね似通った「Q&A」にお答えいただいております。インタビュー本の鉄則ですよね。
でも、実際の原稿を今眺めてみると、Q&Aは全体の1/5にも満たないのです。あとはひたすら対話的に、その場その場で思いもよらぬ方向に進んでいった話が、これでもかこれでもかと出てきます。
そのほうがとても楽しい。私はラッキーだなと思いました。想像を越えた本ができそうだからです。
あまり知らない街の、駅を降りて、日差しを見て、道を見て看板を見て、坂をくだって海沿いの道に出て、そこからさほど明確なあてもなく歩いていくと、なんだかいい感じの釣具屋があって、気まぐれに竿とオモリと餌とバケツをレンタルして、海岸に降りて竿を出そうとするも、なんだか岩場の上があったかくて、そこに座ってみたら、少し離れたところにも誰かが座っていて……みたいな、そういう、展開は読めないんだけど、なにか奥底にわくわくするような、そういった物語とたくさん出会いました。
参考までに、お話しをうかがった方々の、名字だけを敬称略で、ざっと並べます。ぴんとくる方がいらっしゃったら、それはもう御縁だと思いますので、覚えておいてください。まあ、名字だけだと、わからないかもしれませんが。
(敬称略)仲野、門馬、平野、設楽、田中、高阪、大須賀、三宅、笹島、寺本、阿久津、岩本、若尾、尾阪、清水、秋山、萩野(敬称略)
◯◯ってまさか、あの◯◯さん? と思われた方、おそらくその◯◯さんだと思いますが、意外な◯◯さんかもしれませんので、そこは、来月以降の情報をお楽しみに。

