ウェットな仕事

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飛行機が飛ばなかったときに備えてオンラインで講演できるように荷物(ヘッドセット、PCの充電ケーブルなど)を増やした。ちかごろは雷や線状降水帯などさまざまな理由で飛行機が止まる。無論、安全のためだからすばらしいことだし、事前に教えてくれたほうが100倍助かるのだけれど、アプリからしょっちゅう「あなたが今日乗る飛行機は引き返すかもしれませんぜ」みたいな通知が来るようになると、その都度そなえを進めることになり、なんだか昔よりも出張が一段忙しくなったように思う。いいことなのだが。昔にもどってほしいとは思わないのだが。

これだけ準備しておけば、なにかあっても大丈夫だ。パンパンになったトートバッグを見ながらためいきをつく。しかし、いざというときにオンラインでなんとかなってしまうなら、最初から出張しなければいいのでは? という疑問がわいてくる。この疑問は打ち消しようがない。でも、ま、人間、やはりときには互いに顔を合わせることが大事なのだ、という根拠も理路もはっきりしないポリシーによってこの疑問を封じ込める。そうでもしないと心に小雨が降り、路面スリップの危険性がやや高まり、ご登場予定の飛行機は遅延、欠航、目的地変更などのおそれがあります。

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