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マンガが現実とけっこう違うなーと思うことは、自分の中でふわふわ思っていることが、ちゃんと文章になっているということだ。炭治郎とか。桐山零とか。詩的でもあるからふくらみはずいぶんと豊かだけれど、でも、それらはやっぱりちゃんと文章としての構造を持っている。断片的な言葉のイメージが次から次へと泡のように思い浮かぶ的な表現もときに見るけれど、あれだって結局、「単語が次々出てくる」という、一本の筋道をあらわしているのだから同じことだ。
実際にはそうじゃないことがあるよなと思う。たとえば、ある診断とある診断で迷うようなとき、その迷っている真っ最中のもやもやというものは、単語が次から次へと浮かんでくるみたいな情景では描き表せないと私は思っている。