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たった2秒をさぼる病理医というのがけっこういる。切り出し図に癌をマッピングする際に、背景のリンパ節だとか憩室だとかvon Meyenburg complexといった、「描くことは必須ではないけれど、描いておけば病理医か臨床医のどちらかには役に立つ」といった、いわゆる副所見を一切描かない。「必要ないことは一切しない」というスタンスなのかもしれない。しかし描くといったってせいぜい2秒もあれば描けるのだから、それをしないということはつまり、さぼっているのだと私は思う。
2秒をさぼる病理医に限って、2秒を無駄にする。PC内のフォルダのまとめ方がへたで、人に何かを尋ねられたときに資料までたどり着くのが2秒遅い。メールの返信のときにどうでもいい言い回しのところにこだわって送信ボタンを押すのが2秒遅い。
2秒をさぼって2秒ずつ無駄にしている。そういう病理医がけっこういる。