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某病院の、某科のかかわっている裁判記録……を、医療系の記者が記事にしたものを読んだ、感想。
一度言われたことを二度言われないようにする。メモをするのでもいい。ふせんを貼りまくるのでもいい。PCやスマホにアラーム・リマインドをセットするのでもいい。そうやって、ミスを減らしていく。患者の命がかかっているのだから当然のことだ。
しかし、人間は必ずミスをする。どれだけ優秀でも関係ない。ミスというのは防げるものと防げないものがある。そして、「防げるミス」に見えてもじつはさまざまな理由で「ミスに追い込まれる」ということもあるのだ。この、最後の、「ミスに追い込まれる」がわかっていない人間は思いのほか多い。
「患者の命がかかっているんだぞ!」は殺し文句である。縁起でもない言葉を使ってしまい申し訳ないが、くりかえすと、「患者の命がかかっているんだぞ!」は、医療従事者を殺す文句なのだ。患者の命が、少しでもよいほうに向かうように、精一杯の尽力をする、その精一杯の中には、不可避なミスも含まれる。それは人の営みなのだからあたりまえのことだ。
そういったことをずーーーーっと考えていて、結論として、「同じことは二度でも三度でもいう」ほうが、6:4くらいの割合で、世の中はうまく回るのではないか、という気がしている。そういうのを蛇蝎のごとく嫌う人間の気持ちも、わからなくはないのだけれど。

