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臨床的に原因不明。なんとかしてくれ。助けてくれ。そういう依頼があった。考えた。悩んだ。八方手を尽くした。案件を私だけのところにとどめておかず、たくさんの人の力を借りながら、なんとかこじあけられる扉がないものかと、探しに探して1か月。とうとう、「不明。わからない。」と明記したレポートを、出すことになった。
そういうことは残念ながらある。めったにないが、確実にある。
断腸の思いだ。
患者はすでに亡くなっており、この結果によって具体的になにかの手続きが滞るわけではない。
しかし、わからないままでは、悔いが残る。
別の患者のケースで、残った悔いを10年抱え、あるとき、ああ、と気づいて、「こたえ」にたどり着いたこともあった。だから、悔いは残しておかないといけない。悔いは思考をつなぎとめるペグとなる。