行政も巻き込まないと

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遠隔地の病理診断、過疎地の病理診断、これらは私たちの世代が真剣に考えていかないと、10年後や20年後には確実にあちこちにほころびが出てくることは必定なのである。今でも、田舎の中小規模の病院の病理診断を支えているのは、「赤ひげ先生」的な善意の病理医たちであったりするのだ。老練のおひとよし、昼行灯風の免許皆伝者、そういった風情の人びとがあと何年地方をカヴァーしてくれるのかなんて、本人も含めて誰もがあまりよくわかっていない。

都会の人ばかりが病気になるわけでもない。東京でだけがんが流行るなどということもない。だったら今から、私たちは、地方における診療をなんとかするべく動き始める必要があるし、それをやるにはおそらく医療者たちだけではなく、行政とか、企業とか、そういったところも巻き込んでいかないと、うまくはいかないんだよな、ああ、それって超めんどくせぇな、でもめんどくせぇことをやるのがこれからの我々世代の仕事なんだよな、みたいなことを考えている。

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