知ったかぶりの医師

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知らないことを知らないと言えないタイプの研修医や専攻医。いる。幸い、今私が勤めている病院には、そういうのはいないのだけれど、聞く限りでは、たまにいるらしい。仕事でそれをやられると、そこそこ危ないので、指導医はよく注意をしておかないといけない。

知ったかぶりが常道となってしまっている若い医師たちは、あるいは、キャリアのどこかのタイミングで、「知らないでいること」に敗北感とか羞恥心を過剰に抱いてしまったのかもしれないなと思う。知らないことは恥ずかしいことではない。いつ知らなくても、その次の瞬間に、知ればいいのだ。問題は、「知らないでいること」を隠すことのほうだ。

と、書くのは簡単だが、実践するのはおもいのほか難しい。プライドというものはやっかいなのである。わが身を振り返ってみても思う。

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