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まだ読み途中。ゆっくり読んでいる。二日にいっぺんくらい、夜に。とてもおもしろい。冒頭、ちょっともう忘れかけているけれど(てきとうな読書だ)、間投詞の功績みたいな話からはじまる。あのーとか、えーととか。私達は思った以上にしゃべっている最中にこのフィラーというやつをたくさん使っていて、それは海外でスピーチするときに揶揄されるレベルなのだという。しかし中井久夫はそのことを悪いこととは考えていないようである。唸ったのは、「間投詞がなくしゃべる人からは圧を感じる」というような(うろおぼえだが)くだり。「原稿を読み上げると間投詞がなくなる」という指摘。ああ、そうだな、と思う。流暢にしゃべる人から感じる、有無を言わさぬ感。あるなあ、と思う。私は研究会や学会における病理解説のとき、間投詞をまったく使わない。それは、聞いている側に、私のしゃべる内容が権威的であると感じさせるための技術なのかもしれないなと自省した。