そっちのほうの人間としてやっている

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少なくとも20代、30代の私は私のことを、「頭がよいことで仕事をしているタイプの人間」と思ってやっていた。なぜかというと、それは私を客観視した場合に、「手先が器用でお金を稼げている」ということはまったくないし、「アイディアがあふれることでお金を稼げている」ということもぜんぜんないし、「足が早い」とか「顔がいい」とか「しゃべりがうまい」でもないので、結局は「頭(というか事務計算能力)がよいから稼げている」としか思えなかったからだ。

しかし、今になって思うが、私は単純に「事務計算能力がそれなりに上手なタイプの人間」なのだなと思う。それを頭がいいと呼んできたけれど、わりと不正確でしたねごめんなさいという感じ。とはいえ卑下するわけでもなく、それで働いていることに腹落ちもしているが、しかしこれって、頭がよいってのとはちょっと違うような気もする。本当に頭がよい人というのはなんか、もっとシュッとかっこいいものな気がする。本当にというのがまた難しい話だけれど。

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