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浅く広く人と付き合っているためだろう、どんな人に対しても基本的に敬称をはぶいて話しかけることはないし、心が通い合ったなと思うほど一緒に飲み食いしたこともないが、とはいえ、けっこうな量の人びととの間に、うすーいコネクションみたいなものを、年齢相応に築けていると思う。
そのことは、端から見ていてもわかるのだろう。「◯◯学会で登壇してくれる人を探しているんだけど、これくらいの年齢で、これくらいのキャリアで、優秀な医者がいないだろうか?」とか、「◯◯という企画を考えているのですが、出演者の候補として誰か思いつきませんか?」みたいな問い合わせが飛び込んでくる。40代も半ばをすぎれば、ときにはそういう役目を期待されるものだ。
そういうとき、自分は「ハブ空港」の役割を果たしているなあ、と感じる。いいハブであり続けたいと願うが、わりと高望みかもしれない。「たまたまこの日は中継点になれてよかったー」くらいが現実的である。ハブ名人にはほどとおい。それに、コネは大事だけど、結局はつながったあとのほうがより大切なんだよな。