孤独に耐える

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何百キロか先で研究会が開催されている。向こうは天気がよいらしい。こちらも天気がよいので、じつはすぐとなりのビルで開催されているのかもしれない、と思う。研究会にはたくさんの医者が集まっている。土曜日であり、これだけの数の世帯に、いま、ひとり(もしくはまれにふたり)の大人が不在になっているのだなということを考える。がんになる二、三歩くらい手前の病変のことを、あれこれとずっと話し合っている。ひとりがたくさんの写真を提示して、多くの人々がそれをみながらああでもないこうでもないとコメントをし、複数の病理医がわらわらと湧いてきて、会場の議論にさらに油をそそぐようなことをする。盛り上がっている。向こうは天気がよいらしい。こちらも天気がよいので、じつはすぐとなりの部屋で開催されているのかもしれない、と思う。今日のウェブ配信はマイクボタンがついていない。私は発言できないので、PCにヘッドセットをつながず、音声をだだもれにした状態で、おかしを食べながら研究会を見ている。一度、気になることがあり、チャット欄にコメントを入力した。10分くらい遅れて座長がそれを読んでくれた。昏迷が極まったようであった。向こうは天気がよいらしい。

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